今日も寝付けないのでブログを書いてみます。
何の話をしましょうか。
そうですね…今日は、小説について話してみましょう。
私は小さい頃は結構、本が好きでした。
その中でも特に好きだったのがこの本です。
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映画化もされていますが、原作の再現度が低いので本好きなら本を読むのがおすすめですね。ネタバレを含みますので、この本を読みたい方は以降の文章は本を読み終わってから読む事をおすすめします。
この本は、今の言葉で言うとメタフィクションというジャンルの本であると言えます。
主人公が本屋で出会う本のタイトルがはてしない物語なのです。
はてしない物語の「中」で物語は進んでいきます。
エンデのうまい所は、まさにいま「あなた」が読んでいる本も「はてしない物語」なのだと思わせる事です。自分自身もまた、物語の「中」にいるかのように錯覚させられるのです。
主人公のバスチアンにはあんまり感情移入できないという人も、自分の読んでいる本が物語の中に出てくる本であるという構造に、不思議と引き込まれていきます。
子供の頃は、主人公バスチアンはかっこ悪くて「物語」の中の主人公のアトレーユの方がかっこいいと感じるかも知れませんが、実はこの物語は人間が大人になるという事を寓意しているのだと思いますね。大人になるという事は、自分の限界を知り、自分の欠点や醜い所も知る事だと私は思います。誰もが、子供の頃は自分は物語の主人公で勇敢で気高い勇者だと思いたがるものですが、実際には人間は弱く、一人ではできない事が沢山あり、自分の力を過信して間違えたりしながら成長していくものです。
詳しいストーリーについては書きませんが、今日働きながら、小説を書くのも良いなと思いました。例えば、貧困を解消する為に頑張る主人公なんて良いかも知れません。
以前、こんなエッセイを書きました。
異世界転生ものとか転移ものが流行っている時期がありましたね。下火にはなりましたが、今でもありますよね。ついこの前までアニメを放送していた「葬送のフリーレン」もある意味では異世界ものだと言えるかも知れません。
異世界ものはインスタントに書ける(実際に売れる為のはそんな簡単ではないですが)し、又、インスタントに消費されています。そして、物語の中での問題の解決法もインスタントですね。魔法、チート・裏技、転生前の知識、神から授けられた特殊能力という訳です。しかし、現実にはそんなものはありません。人間は死ねば基本的には終わりでしょう。あの世があるにせよ、やり直して無双などという都合の良い展開があるとは思えません。
こういう構成の物語を書いてはどうか?と思った事があります。
主人公は読者が感情移入しやすいように造形します。
そして、世界を旅しながら、様々な問題に行き当たります。
それを創意工夫で解決していきます。仲間が増え、少しずつ色々な事ができるようになります。大きな問題が起こります。戦争とかですかね。
それを今まで出会った人達や築いた物の力で解決し、世界は平和になるのです。
こうしてカタルシスを感じて読者が喜んでいる所に、こんな文章を作者が提示します。
物語はハッピーエンドでしたが、あなた自身は幸せですか?
物語の中では上手くいった事も、現実ではなかなかうまく行かないかも知れません。
何故でしょうか?あなたの人生が先ほどの物語の主人公のように輝いていないとしたら何故でしょうか?
夢落ちとメタフィクションの合わせ技で、かなりの反感を買う事請け合いですね。
でも、こんな風に思った事がある人は結構多い筈です。
話は全く変わってしまうのですが、今日、週刊少年ジャンプを買いました。主に読んでいるのはワンピースと呪術廻戦と僕のヒーローアカデミアとウィッチウォッチという作品なのですが、ワンピースの話をしたいと思います。
ワンピースも随分長く連載していますね。単行本も100巻を超えています。
マイルドヤンキーの御用達などと言う形容をされた事もありますね。
仲間を大切にし、自由を愛する主人公。感情移入できるような、ちょっと距離を置きたいような、不思議な魅力を持ったキャラクターがルフィです。
ルフィの夢の果てとは何なのか?という考察をしている読者達もいます。
私は、なんとなくですが、ニワカ勢として、こんな予想をしています。
最新話によるとワンピースの世界はどうも何かの大きな力で寸断され、又、かつての大きな大陸が沈んだ世界のようです。三つの古代兵器があります。古代兵器は島一つを跡形も無く消し去るような強力なものです。これなら、地形を変える事もできるかも知れません。
主人公は、世界政府によって隠された空白の100年を知る事になりそうです。それがワンピース(ひとつなぎの大秘宝)とどう関係するのかは分かりませんが、最終的に世界政府や君臨する天竜人にとって都合の悪い結果が訪れそうですね。
ルフィ達は、望んでかどうか分かりませんが、世界を文字通り一つにするのではないでしょうか。これは世界平和がどうこうとか仲間達との絆がどうこうというよりも、地形が変わって世界が一つになるのではないかと思います。それがワンピースのある側面ではあるでしょう。
その先に、革命軍が成し遂げようとしている新たな世界が誕生するのかも知れません。
考察勢の予想の一つに、ルフィの夢の果ては、敵味方問わず、すべての人を集めた宴をするのではないかというものがあります。世界平和かどうか知りませんが、キャラクターの性格上、こういうのはありそうですよね。
主人公というのは、こういう大きな器を持っていなければいけないと私は思っています。主人公は赦したり、勝利しても栄誉を敢えて辞退したり、より崇高な目的の為に自分を犠牲にしたりします。宗教で言うとキリストみたいな感じでしょうか。
敵味方問わず、全てが終わった後は宴で祝おうというのは、日本人の宗教観と結構、合致していそうに思います。
ルフィはいつも物語の中心にいて、人を惹き付け、敵を圧倒し、覇王色の覇気をまとって戦っています。しかし、現実の人間はそんな風にはいきません。何故でしょうか。
人生が上手くいかない原因の最大の要因は「傲慢さ」だと私は最近、考えています。別の言葉で言うと「過信」「慢心」「奢り」「天狗になる」「調子に乗る」等と言われます。
主人公のリーダーシップは必要かも知れません。しかし、人生においては全ての人が主人公です。自分の物語に他人がしゃしゃり出てきたらどうでしょう。きっと邪魔だと感じるでしょう。
以前に別の文章でも書きましたが、だからこそ、人は自分は他人の人生においてはモブなのだ、脇役なのだとわきまえる必要があるのではないでしょうか。いつもスポットライトを独占できる訳ではないのです。
人を活かす人こそ、本当の「主人公」ではないでしょうか。
きっと本当の主人公ならば、全ての人を「活かす」のではないかと思います。
ルフィのようなタイプの人物が現れるのは、大きな敵がいて、その敵を打倒するのを民衆が望んでいるからです。ルフィは自分の夢とか自由とか理想だけではなく、様々な人の夢を背負っている訳です。神様というのは祈りを聞いているとされていますが、まさに願いを背負っていますよね。その中で、神様の目に適うものが実現するとされている訳ですけど、そういう側面は現実にもあると思うんですよね。
この世界は群像劇で、その中に沢山の人の数だけの世界があって物語があり、その物語においては自分が主人公なのだと私は思っています。
物語と現実を行き来しながら、人は間違い悔やみ傷つき、そして、再び後悔しないように成長していくのだと思います。
できるだけ多くの人がハッピーエンドに辿りつく事ができるように、手助けする親切なモブとして、モブ道を極めていきたいなと思っています。
取り留めのない話になってしまいましたが、こんな所で、今日はお開きにしたいと思います。おやすみなさい。良い夢を見られますように。