スクラップ置き場

社会の底辺に生きているニンゲ…ゲフンゴフン、ぬこが書いている文章です。

救いがたい弱者 後編

前編はこちら。

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インターネット上にも変わった事、おかしな事を言う人はいます。

変わっていても正当性が担保されていれば良いのですが、根拠がないデマの場合も多くあります。公的機関が否定しても、専門家が否定しても、それは陰謀だと言って聞きません。先日、私もそういう人達とかなり長いやりとりをする事がありましたが、話は全然通じませんでした。

日本ではワクチンを打ってもこんなに多く人が死んでいるとか、ワクチンを打った人の方がコロナで死んでいると彼らは主張していました。確かに、ワクチンを打ってもコロナになると言われると感染予防効果を疑いたくなりますし、重傷化予防もできていないように見えますね。しかし、こう考えてみてください。

シートベルトをすると交通事故に巻き込まれた時に死亡率は下がります。ワクチンもそうで、確率的に感染を予防し、重傷化予防します。マスクもそうですね。幾ら対策をしても周囲の人が皆、感染してウイルスが蔓延していれば感染してしまう事もあります。

科学は0、1で考えるものではなく確率、蓋然性で考える事が多いです。

ワクチンを接種したのは高リスクの高齢者が優先でした。これは国の政策でもありました。ですから、そういう人が寿命で亡くなる可能性はもちろんありますし(統計的には自然死の確率はむしろ下がっているらしいですが)免疫も弱いので感染すれば死んでしまう可能性はあるのです。こういうバイアスを考慮して統計を見ないといけないのですが、統計学や医学が分からない人は、こういう正当なやり方を不当な操作だとか、ごまかしだと言って聞かないので何を言っても無駄ですね。

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疑似科学にせよ、陰謀論にせよ、自分の頭で考えた結果、専門家の意見を全く聞かずにおかしな答えに辿り着く点では同じです。それらは一体化している場合もあります。

話を良く聞く事が大切です。政府が嘘をついているとか、マスコミは信用できないとか、あるいは医療機関も陰謀の一部だと思うかも知れません。ですが、世界中が闇の組織に支配されているんですか?世界でもワクチンは打ってます。マスクは外している国が多いですが、そういう国はパンデミックで大勢、人が亡くなっています。全ての国が、こんなにも対立しているのに口裏を合わせて陰謀で人を支配していると考えるのは荒唐無稽です。

 

あなたが大金持ちだとして、救いやすい弱者とはどういうものでしょうか?弱者の定義も色々言えますが、弱者性を持っている人があなたを頼ってきたとしたら。

きっと、こう思うでしょう。自分の言う事を素直に聞いてくれて、真面目で努力する人が助けるに値するとか、助けやすいとか。

人の話を全然聞かないという事は、例えば、目隠しをした人が崖に向かって歩いていて、誰かが助けようとしているのに、その声を無視するようなものです。

そもそも、きっと本当の弱者は自分の弱点、弱者性を認める事ができないのかも知れないですね。そして、自分よりも優れた専門知識を持つ人を頼る能力もないのかも知れない。優れた人は自分の専門を突き詰めた結果、自分の専門性以外の事では、自分は大衆、弱者なのだという事を自覚している事が多いのですが、そういう自分の専門外で人を頼る能力自体が、本当の弱者には欠落しているのかも知れないです。

 

では、そういう陰謀論者や疑似科学に嵌まった弱者を助けるにはどうすれば良いのでしょうか。最近の日本の研究では、陰謀論に嵌まりやすい人は熟慮性と世の中が悪くなっているという思想が強い事が分かりました。

でも、こういう人にあなたは良く考えないから間違った結論に到達するのだとか、あなたは世の中が悪くなっているというが、統計では飢餓や貧困は減っているとか言っても話を聞かないでしょう。大体の助言の記事は、こういう事を言って「論破」しても逆効果でお互いに譲り合う気持ちを持って曖昧さを許容するという事が書かれています。

それで実害がないのであれば、世の中の人は何かしら間違った情報を信じている場合もありますからそれで良いと思います。

ですが、それで実害がある場合、例えば感染対策を全くしないとか毒を飲ませようとしてくるとか、政治的におかしな組織に嵌まり犯罪をしたり、高額のお布施をする場合はどうでしょう。

実は一度、陰謀論に嵌まってしまった人を改心させる事は殆ど不可能だと言われています。人間は信念をなかなか変えません。確証バイアス、生存バイアス、そしてサンクコスト等の要素が絡んでいるのだと思いますが、それまでの人生を否定して、自分は間違っていたのだと思うような人は本当に強い人です。弱者にはそういう事ができないのです。

だから、ワクチンと同じで予め疑似科学陰謀論の知識を持っておく方が、ましだと言われています。

ですから、家族や親密な人との関係を絶つのは難しいでしょうが、そうではない場合は関係を希薄化して関わらないのが一番の対策と言う事になってしまうかも知れません。

孤立すれば、人は自分がおかしかったと気付くかも知れないですね。

また、陰謀論の場合は、その人が集団ストーカーとか電磁波攻撃とかを信じている場合、何らかの疾患の可能性もあるので、医療機関に相談した方が良いかも知れません。

 

世の中には救いがたい弱者が存在します。

ですが、できる限りの人を助けたいと思う気持ちもあります。

私程度の人間にできる事はたかが知れていますが、できる限り、できる範囲でそういう人を減らす努力をしていきたいです。