スクラップ置き場

社会の底辺に生きているニンゲ…ゲフンゴフン、ぬこが書いている文章です。

老人支配 シルバーデモクラシー

思想家の内田樹氏がツイッターでこんな事を述べていた。

現代日本社会は「老人支配(gerontocracy)」だから老人を安楽死させた方がよいという論について考えてみました。現代日本社会が「老人支配」だってほんとでしょうか。たしかに「権力を持った老人たち」は支配層を形成していますけれど、「権力を持たない老人たち」は片隅に追いやられ収奪されています』

『日本の政体は年齢や属性にかかわらず、「権力を持っている人間が権力を持っている」という同語反復的な「支配者支配(powercracy)」のような気がします。支配者層の集団属性は年齢でも性別でもなく「現在の権力者のアジェンダに賛成し、その実現をアシストする人たち」という以外にないんじゃないかな』

『「パワークラシー」って結構破壊力のある術語ですね。使用例が英語圏にあるかなと思ってちょっと調べてみましたけれど、学術論文は一つしかみつかりませんでした。でも、今の日本の政体って、まさにこれだと思いませんか?』
『良風美俗に唾を吐きかける「芸」が売れるのは、反権力的だからじゃなくて、「権力者が本当は言いたいんだけれど、(選挙で議席を失うから)口に出しては言えない本音を代弁している」からじゃないのかな。「パワークラシー」の守護天使たちなんですよ、彼らは。』
 
あまりにも物言いが他人事過ぎて喫驚してしまった。今や有権者の大半が高齢者になっている。シルバーデモクラシーの影響は深刻である。
若者の定義にもよるが、若者が皆で選挙に行っても高齢者が反対に票を投じれば、その意見は通らないのである。
政治家は力を持っている有権者層を無視出来ない。政治家は高齢者を優遇し、高齢者は高齢者優遇の政治家に票を投じる。こうして、若者は政治から締め出されていくのである。若者もいずれは年を取る。それまで重い負担に耐えながら生きていかねばならないのである。生き延びられれば良いが、どうなるかは分からない。
 
確かに、自民党支持者ではない「マイノリティ」の有権者は権力者ではないかも知れない。しかし、彼らは長年の政治活動や思想の広報活動を通して民意を変えられなかったのである。私は民主党が政権を取った時のことを忘れていない。彼らは、様々な公約を掲げて政権を取り、実際に治世を行ったが公約を殆ど実現出来ずに支持を失い下野したのであった。又、彼らが東日本大震災に伴って起こった福島第一原発の事故の責任を、自民党に問おうとしていたのを私は忘れていない。彼らが政権を担っていた時に事故が起きたので、安全管理の責任を問われるべきなのは(今は分裂して名称が変わっているが)民主党なのである。世代によるが若者は、そういう経緯を知っている。
 
どうしてこのような話題が今になって上がっているのだろうか。
 
それは経済学者の成田悠輔氏の発言が元である。
成田氏は、日本経済の問題の簡単な解決策はないと主張し、もしもそんな事を言うのならば、老人が集団自決してはどうか?と述べた。集団自決発言は様々な場でしていたようだ。
彼はある時、思想家カール・マルクスについてこんな事を述べていた。
「最初は誰にも相手にされていなかったが、放言を繰り返す事で実際にロシア革命が起きると影響力を増した。ああいう実際は何かをする訳ではないが、無責任な事を言うポジションを復古させていかなければならない」(これは意訳です)
これはあるテレビ番組での発言である。成田氏は、最早、政治では社会を変えられない事を理解しているのだと思う。有権者の大半は高齢者で、社会保障費の大半は高齢者に使われている。その財源は労働者からの徴税である。彼は意識的に扇動をしていたのかも知れない。
 
私は成田氏の「集団自決」発言を擁護しないし、支持もしないが、こういう過激な発言をする人物がいずれ登場するだろうなとは思っていた。
少子高齢化の問題を先進国すべてが抱えている。そして、どの国もその問題に有効な解決策を示せていない。又、高福祉で幸福度が高い事で知られる北欧諸国では高齢者の延命について否定的な考えを持ち政策を行っている。日本は、国民皆保険や、その他にも様々な政策によって医療が充実しているが、高齢者に延命含む過剰な医療を施しているのではないかとの批判もある。
私は共産主義に否定的なので、暴力革命は支持しないし、テロリズムも行うべきではないと考えているが、革命の機運は高まっていると言える。但し、若者はその手段を持たないのだ。
 
言論が社会を変える等と言うけれども、民主主義の仕組み上、高齢者に支持されない限りは体制の転覆、変更は起こらないのである。左派はこの責任を痛切に感じるべきである。今まで彼らは何をやってきたのか。左派は学生運動に始まり、様々な手段によって社会を変革する事を企図してきた。しかし、実際には長らくの間、自民党が政権を担っている。自民党の方が左派から右派まで抱える包括政党である等と言う評価さえある。
 
少し前に、安倍晋三元首相が暗殺されたが、その時、マスコミの一部や左派の思想家、活動家達は、因果応報であるとか、必要なテロリズム(直接テロであるとは言っていないが)であると主張していた。それと同じ事が今度は自分達に向かってきた時に、私達は権力者ではなく、収奪されている被害者であると主張するのは虫が良すぎるのである。考えてみれば、左派はいつも問題をすり替えて、被害者ポジションを取ってきた。しかし、実際はどうだろう。物事は被害と加害がはっきり分けられるものだろうか。泥を被っても、何かしらを実行していく人間が支持されていくものである。外側から批判ばかりで何もしない人間を人々は嫌う。それこそ左派が嫌われている、支持されていないのは因果応報ではないのか。
 
ちなみにChatGPTに「日本はシルバーデモクラシーが深刻ですか」と質問してみた。それに対する返答がこれだ。
 

シルバーデモクラシーとは、高齢者が選挙において影響力を持つようになることを指します。日本は、高齢者人口が増加し、若年層の政治参加が低下しているため、シルバーデモクラシーが深刻な課題となっています。

具体的には、高齢者の投票率が若年層に比べて高いため、政治家たちは高齢者の要望に配慮することが多く、高齢者向けの政策が優先される傾向があります。また、高齢者による地方選挙の影響力が強く、地方自治体においても高齢者向けの政策が優先されることがあります。

このような状況から、若年層や子育て世帯、障がい者などのニーズに応える政策が不足しているとの指摘があります。また、高齢者向けの社会保障制度が充実している一方で、若年層に対する支援が不十分なことも問題視されています。

したがって、日本においてはシルバーデモクラシーが深刻な問題であると言えます。政治家や行政が、多様な世代のニーズに応えるためには、若年層の政治参加を促進し、多様な立場の人々の声を反映する仕組みを整備することが必要とされています。

 

次いで「では若者の何パーセントが投票に行けば、日本のシルバーデモクラシーは改善されますか」と質問してみた。

 

若者の投票率が高まることは、日本のシルバーデモクラシーを改善するために重要な一歩です。ただし、具体的なパーセンテージについては一概には言えません。

日本においては、若年層の投票率が低下している一方で、高齢者の投票率が高くなっています。若年層の投票率が向上すれば、政治家や政策が多様な世代のニーズに応えるようになるため、シルバーデモクラシーを改善することが期待されます。

一般的に、若者の投票率が向上するには、政治教育の充実や選挙制度の改革、投票の便利化などが必要とされています。若年層の投票率を一定の水準以上に引き上げることで、高齢者による影響力が相対的に低下し、多様な世代のニーズが反映されるようになると考えられます。

ただし、具体的なパーセンテージについては、社会的背景や選挙制度、政治教育などの様々な要因によって異なるため、一概には言えません。より高い若者の投票率を実現するためには、長期的かつ継続的な取り組みが必要となります。

 

 ダメ押しで「私の試算では、若者の定義によりますが、若者を広めに見積もって40歳以下とした時、若者全員が投票に行ってもシルバーデモクラシーは何ら改善されないように思われますが。」と質問してみた。

 

確かに、若者を広めに見積もって40歳以下とすると、投票率が100%に達しても、シルバーデモクラシーが完全に解消されるわけではありません。なぜなら、高齢者人口が急速に増加しているため、高齢者の影響力が依然として大きいからです。

しかし、若者全員が投票に行くことで、政治家や政策が多様な世代のニーズに応えるようになる可能性があります。若者に対する政策や制度の充実が進むことで、若年層が積極的に社会に参加し、将来的にはシルバーデモクラシーが改善される可能性があると考えられます。

ただし、投票率を上げるためには、選挙制度の改革や政治教育の充実、投票の便利化など、様々な施策が必要とされます。また、若者が投票に行くこと自体が重要であり、政治に関心を持ち、意見を発信することが、将来的にシルバーデモクラシーを改善するための重要な一歩となるでしょう。

 

だ、そうである。「老人」は若者の絶望の深さを知るべきである。

 

※続編的内容です。よろしければどうぞ。

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