スクラップ置き場

社会の底辺に生きているニンゲ…ゲフンゴフン、ぬこが書いている文章です。

再現性のあるやり方では稼げない

良く情報商材系のアカウントが「このやり方は、誰でも出来て再現性がありますよ」等と言っていないだろうか。

ブロガー界隈にはこういうアカウントが星の数程いる。

しかし、そういう方法では殆ど稼ぐ事は出来ない。

理由を理路整然と説明する事が出来る。まあ、説明するまでもなく、分かる人には一瞬で分かる事なのだが。

 

そもそも「再現性」というのは、自然科学等の分野で実験が再現されるかどうかを問う時に使われる用語である。

例えば、一気圧下では水は百度で沸騰する。これは地球上のどこでも気圧が一定ならば再現できる。こういう時、その現象には再現性があると言う事が出来る。しかし、水を沸騰させる事は(道具さえあれば)誰にでも出来るので、湯を作った程度では稼げない事は明白に分かるだろう。この湯を使ってお茶を入れ、それを有料で提供するとか何らかのサービスを考えなければいけない。

お茶を提供する為にはカップが必要だ。当然、茶葉も必要だし、急須も必要だ。お茶を飲む為の場所も必要かも知れない。こういう物を揃えるには資本が必要だ。資本がないのならば、借りて揃える必要があるかも知れない。こういう場合に必要になるのは社会的信用である。

 

では、ブロガー界隈はどうか。ブロガーには資格はいらない。パソコンかスマートフォン等のデバイスさえあれば、誰でもブログを書く事が出来る。この点では再現性が高い。しかし、誰でも簡単に出来るからこそ、つまり湯を沸かす程度に簡単だからこそ、その行動には希少価値が全くない。当たり前だが、何万人もの人間が、一つの区画でレストランを開業したとしたらどうか。邪魔なだけだ。

せいぜい使われるのは有名で、サービスのよい数店舗だけになってしまうだろう。

普通は、競争相手が少ない分野で勝負する。小さな店でも寒村にあれば重宝するだろうという事だ。

 

ブログが何万、何百万とあっても閲覧されるのは数%かそれ以下だけだ。SEOは企業が力業で上位を獲得しているそうだ。そうなると、幾らニッチなジャンルを選んでも、すぐに飽和するだろう。ブログは公開しないと読まれない。だから、すぐに真似される。あなたが、希少価値があって、再現が難しい技術を持っていても、それを公開すれば簡単にコピーされる可能性はある。

 

こうした理由からブログで稼ぐのは難しくなっている。今ならばSNSでフォロワーを増やしてそこからの流入を狙う手もあるけれども、結局、SNSに貼り付いたり、YouTuber的な事をしなければならなくなって、それならば普通に本業で稼いだ方が遥かに効率が良いな、となるのである。

 

殆どの人は、この壁が越えられずにブログを辞める。バイトをした方が効率が良い、まである。例えば、医療ブログは医者が書いていた方が信憑性が高いと判断されるだろうし、専門知識を必要とするような分野はそういう「本業でも強い専門家」で埋まっているのだ。

 

ブロガーとして残るのは、本業で稼げない人間。ブログを本業にしているプロ。良く実態を知らない素人だけになる。そして、市場が飽和しているから、人に頼まれてもいないのに教えようとして迷惑なDMを送ってくる「良く分かっていない人間をカモにしようとする情報商材屋」が現れるのである。

 

 

もうちょっと深い所まで考えてみよう。そもそも政府が副業を推奨し始めたのは何故だろう。それは、本業で所得を増やすのが難しくなってきているからだ。これは何故か。それは日本の内需が小さく、需要に対してサービスが供給過多だからだ。世界中から安い品物が入ってきている。素人が簡単に起業するのは難しく、参入しにくい。

こう考えてみると、そもそもブログを日本人向けに書く事自体が馬鹿げているのかも知れない。いや、この言い方は語弊がある。もちろん有益情報を提供出来るような人は、今のまま日本の為に働いた方が良いだろう。だが、特に日本向けに競争出来る力を持っていないような人は、そうではない。需要が縮小していくような市場で競争して疲弊するよりも、海外に向けて情報を発信した方が良いのではないか。

もっとも、海外に向けて情報発信する為には、言葉の壁を乗り越えなくてはならないけれども。(今は翻訳ツールがあるから幾分、その壁は低くなっている)

 

まあ、私がこのブログで何が言いたかったかと言うと「再現性のあるやり方」で、誰にでも再現できるような希少価値が乏しい方法論では稼げないよという事であった。情報商材屋の甘い言葉にはくれぐれも注意しよう。

そして、幾ら親切な人であっても何億も稼いでFIREしたような人でない限りは、自分が稼いでいる方法を公開しないという事も覚えておこう。競争相手を増やしたくないからだ。そして、方法論が公開されれば競争相手が増えて、その方法は希少価値を失い稼げなくなるのである。

どんなに面倒臭くても、再現が簡単でない技術や資格を身につけるのが一番の早道である。あなたは、家を自作するだろうか?いや、業者に依頼するだろう。自分で身につけるよりも、専門家に頼んだ方が割安で簡単な場合もある。ここで初めて技術がものを言うのである。