スクラップ置き場

社会の底辺に生きているニンゲ…ゲフンゴフン、ぬこが書いている文章です。

最近気になっている事(働き蟻の二割はサボっているというのはどうも間違いである)

最近ニュースで、働き蟻の2割はサボっているというあの有名な逸話はどうも間違いであるという事を知った。(改めて調べたら北海道大学等の研究チームによって分かった事で毎日新聞の2016年の記事になっていたものだった。もう6年前に分かっていた話だったのだが)

 

働き蟻の逸話とは、蟻の全体の2割はいつも働かず、その蟻を取り除いても、残りの蟻の中から2割は働かなくなるというものである。働かない蟻はいなくならない。社会で怠け者がいなくならない喩えに良く使われていた。

しかし、どうもそうではなくて2割が交代で休憩を取っているだけらしい。

だから働かない蟻を取り去っても、働く蟻の中から休憩する蟻が出てくるだけなのだ。

 

私は今、流通関係、運送業で働いているのだが、知っての通り、運送業ではスピードが求められる。正確さも求められる。しかし、ミスはする事もある。単純計算を10000問やる事を想像してみて欲しい。だれだってケアレスミスはする事があるのだ。

ミスを無くす為には、(見直しをする為に)一定の余裕が必要だろう。

それなのに世の中は、効率を求めて出来るだけ無駄を無くそうと言って、休憩する時間まで削っている様な気がする。もちろん、法定の休憩はあるし、残業はそんなにないので、帰ってから休めば良い話なのだが。(帰ってからは帰ってからでやる事がある訳だが)

 

確か、アイリスオーヤマでは、わざと工場の稼働率を7割に落としているらしい。急な仕様変更等に対処する為だ。ツイッターでもバズってたが。これとは別に、テスラのイーロン・マスクもやはり、全力ではなくて85%の力で仕事をする様に自社の社員に言っているらしい。

東京大学西成活裕教授が、その著書「渋滞学」の中で、似た考えを提唱していた。それによるとやはり、全力ではなくて9割とか7割の力で仕事をした方がかえって全体の効率が良くなるらしい。これは流れと関係がある。渋滞を無くす為には、不規則な挙動をしない事が必要になる。車は急に動いたり、止まったりする事もあるから、適度な車間距離を開ける必要があると言うのだ。

 

 

仕事を早く効率良く済ませる為には、適度な休憩が必要だ。

ある程度の余裕を持たなければいけない。この逆説を理解出来ず、人々はスキマ時間に勉強しようとか、ポイ活をしようとかしていないだろうか。

ぼーっとしている時の方が、脳の「デフォルトモードネットワーク」が活性化されて、頭の中のごちゃごちゃを整理しているという話もある。

休憩を何か余計な、どうでも良い事(SNSの良く分からない会話とか)で塗りつぶして、仕事中集中出来ないなんて事もあるかも知れない。

会社も会社で、社員に自由な時間や無駄な時間を与えないで、全ての時間を意味のあるものにしようとして、分刻みでスケジュールを詰め込んでいるかも知れない。

 

社会全体が、もっと「効率良く」なる為には、ある程度の「無駄」も必要なのではないか。無駄を無くす為には、逆に、必要な余裕が無ければいけない。

 

 

自分が自由である為には、他人の自由を認めなければいけないのではないか。

自分の考えを尊重して欲しいのならば、他の人の自分と異なる考えをも尊重しなければならないのではないか。

 

そんな事を最近、考えている。底辺なりに。